話は大分、まわり道を致しましたが、グループ員である宮本さん(仮名)の体験を御紹介致します。
この方は、〇〇〇でしたが、心臓の血が逆流をすると言う病でもあり、その他にも脊髄から来る腰痛などがありました。
しかし病院でも中々治り切る、と言う所まで行かず、私くしの所に来られたのが一つの縁となり、その後も何回か来られる内に病気も去る事ながら〔法〕の話も非常に関心を持って聞いて下さいました。
まして心臓と言うのは業病でもありますので、
「私くしも全力を尽くしますが、貴方も題目を唱えて御覧なさい」とお伝えした所、本当に素直な心で内得信仰を始めてくれたのです。それからと言うものは病気の方も、すっかり良くなり元気になりました。
私くしはその間、無理に御本尊様を受けなさいと申し上げた事は一度もありませんでした。
それは、彼があまりにも純真な心で題目を唱えているので、必ず動かざる体験をする事を確信していたからです。
そのような時期になった時、御本尊様を御安置させて頂けたら、どんな事があっても一生、御本尊様から離れるような事はないでしょう…そう思ったからです。
それから一年半、遂にその時が来たのです。
彼は背中から腰にかけて激痛が走り、40度近い熱が続いていると言われ、そして「私の家に来たい」との電話が掛かってきたのです。
それは平成5年の〇月の始めだったと思います。雨の降る夜でした。
彼はやっとの思いで車を運転して来られたと思います。見るからに顔色は悪く、そして痛々しくも思えました。
「こんな状態で、よくここまで来られたな」と言うのが私くしの実感でした。
本人にとって見れば、それこそ必死の思いであったのだと思います。(中略)
しかし、終わった後もいつもと違いあまり良くならず、しばらく私くしの家で休んでいたのですが、帰ると言うのです。
私くしは「雨も降っている事ですし、こんな状態では帰るのは難しいのではないか…泊まってもらった方が良いのでは…」とも思ったぐらいです。
しかしながら御本人が、帰れると言われるので、私くしも心配でしたが車の所まで行き、何とか乗せて差し上げたくらいです。
それから一日か二日後くらいの〇月〇日、ちょうど支部総会の夜でした。
B県の班員の皆様が、私くしの家に寄って下さって、話をしている最中に電話が掛かって来まして、素晴らしい体験を聞かされたのです。その時に集まっていた皆様もビックリしておりました。
彼の話によると、
医者の薬も何の効果もなく、昨夜家に帰った後も翌日も、まだ熱が下がらず、40度の熱も身体の痛みも依然として続いておりました。もうろうとして薄れて行くような意識の中で、そこにはもう欲も・生も・死もなく、題目のみ有って後は何もなくなっていたと言うのです。
そして奥の部屋で横になりながら、心の中で題目を唱えていたそうです。その時の心境は、私くしにも良く分かるような気が致します。
そして何となくベランダの方に向けていた彼の視界に突然、天より目にも目映い一筋の白金の光が帯を引いて降りて来たそうです。その真ん中を黄金の光が白金の光を伝わるように、降りて来たかと思ったら、人間のような、仏像のような形になったと言うのです。
その瞬間、彼は「あ…天から来られた…。お迎えしなくては…。」と思い、そしてそう思った瞬間、幽体離脱をしてしまい、思わずその光の前に正座して合唱してしまったと言うのです。
そして、その光を見ようと思ったのですが、とても眩しくて目など開いてはいられなかったと言うのです。すると、その真ん中の黄金の光が自分の方へ段々と近付いて来たかと思うと、そのまま自分の身体の中を通り抜けて行ったと言うのです。
その時、[自分の身体]と言うか[命に]と言おうか、何とも言いようのない快感を伴った衝撃を感じたと言うのです。そして再び白金の光の中を、天に昇って行ってしまったと言うのです。そして気が付いて見ると熱も平熱になっており、身体の痛みもスッキリと治ってしまっている、と言うのです。何と不思議な事なのでしょうか。
その翌日、彼は晴れ晴れとした顔で私くしの家に来て、昨日の出来事を改めて一部始終、話をしてくれました。
私くしは唯一言、「時が来たようですね」と申し上げたら、
彼は「分かっております。ぜひ御本尊様をお願いします。」と言ったのです。
それでは…と言う事で日を改め、めでたくお寺で御本尊様を御下附頂く事が出来ました。
本当に素晴らしい事です。それは平成5年〇月〇日の事でした。
彼は、今までの内得信仰で知り得た大聖人様の仏法の偉大さと素晴らしさを改めて知らされたと言う事でしょう。
これは、彼の純真な信仰に対しての、天の計らいが有った事を私くしは確信致します。
これを良い教訓として甘える事なく、自らの使命を感じ、更に更に精進して行く事を期待致します。