そして私くしは鈴木さんと打ち合わせて日を改め、B県の鈴木宅へ伺う事にしたのです。
鈴木さんの家は〇〇駅から少し離れた所にあり、私くしが初めて行った時には、まだ周りには家も少なく畑や田んぼ等も見えておりました。4LDKの、新築してまだ何年もたってないような陽当たりの良い、こじんまりとした、使い良く出来た感じの良い二階建てでした。
私くしは「こんな家に本当に心霊現象が起こる」なんて信じられませんでしたが、家に上げて頂き、少し話をしている内に何か、二階の方から霊気が流れてくるのを感じて来たのです。
「そうだ、上に何かある。」そう思い、二階の部屋を見せて頂いたのですが、三つの部屋の内、息子さんの部屋が中でも一番強く感じるのですが、更にまだ上の方から感じて来るものがありました。
私くしは不思議に思って伺って見ると、二階の上に四畳半くらいの収納庫が有ると言うのです。
私くしは、そこが妖しいと思い、頼んでそこを開け、はしごを下ろしてもらって、上にのぼって行ったのです。
そして収納庫に首を上げ出した瞬間、「ここだ!」と思いました。息が出来なくなる位、強い霊気を感じたのです。
早速、鈴木さんの御家族の方、三人に二階の部屋で題目を唱えて頂くように頼み、私くしが一人で収納庫に上がって行き、入り口は開けておいて、その上に立って題目を唱え始めたのですが、中々声が圧迫され出てこないのです。
私くしは無理に息張るように声を出し、題目を唱え続けました。そして更に強い圧力が加わり、何か眩暈がしてくるような感じがし、血の気が引いて行くような感じさえして来ました。
すると両方の耳にキーンと言う高い波動を感じたのです。これは法華経〔法〕からの御力添えかも知れないと思いました。
とたんに声が出始めたと同時に、私くしの立っている周りに鎧武者が、ズラズラと見えて来たのです。その数は、何十人・何百人か、すごい数です。戦国の世の人達のようです。
〇〇と言う所は今も古戦場の跡があちら・こちらに有りますが、その当時の頃の人達でしょう。まだ、どこにも行かず、この地に留まっていたのかも知れません。
彼等には、まだ戦いが終わっていないのです。傷付いた人、ざんばら髪の人、やりを杖にしている人、それはそれは凄いものです。
私くしは、こう言う人々を過去にも、〔法〕の方々の御協力のもと何回もお救いして参りましたが、こう言う人々をお救いする時は、一つの方法として方便を使わせて頂くのです。
そうでなければ、とても言う事を聞いて頂けない事が多く、中には反抗して来る方々もいるのです。
「私は仏様のお使いで皆様をお救いに参りました」と言って皆様の説得を始めるのです。
そして最後にこの題目をお教えして全部の皆様をお救いして上げるのですが、ある程度の力がないと自分がやられてしまう事もありますので、一番大事な事は先ず、絶対なる確信と法華経に身をおまかせするという事でしょう。
皆様は喜んで法華経の光に乗って、明るい世界へと旅立って行きました。
そしてこれを最後に鈴木宅にはピタリと悪い現象は起きなくなりました。
文証・理証・現証と、この三つが実証されるのは大聖人様の仏法を除いては何もありません。他の如何なる方法を用いても、何一つ結果は出なかったのですが、法華経を用いた事によって歴然と結果が現れたのです。(中略)
これがきっかけとなり、鈴木さんは内得信仰を始める事が出来ました。
そして、それから一年目、めでたく御本尊様をお迎えする事が出来たのです。
私くしはすぐに御本尊様の御下附をお勧め致しません。本当に、この人が自分の命ある限り、守って行ける方かどうか、ある程度見極めない限り、お勧めする事はしていないのです。
本当に求める人ならば、教えて上げた人が親身になって、その人の為を思い、確信を持って、法の話を聞かせて上げるならば、自分の言った通りに結果は出ます。それによって、更に相手は求めて来ます。
大聖人様の仏法は、求めても求めても、広大無辺で有り、甚深無量なのです。何と言う素晴らしい法でありましょうか。このような偉大な法に巡り逢えた事を心より、感謝せずにはいられません。